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Side-S:06章 舞い上がる戦神3


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舞い上がる戦神3


 飛行形態をとった01を駆って、 は輸送機の背後に回りこんでいた。01自身のステルス性と聖域の結界を利用してできたことである。結界の有効範囲は完璧に把握している。なかなかに有用な情報であったと今になって感じていた。
 かなりの高度を取って一旦海上に出た。結界から抜ける。そして輸送機に認識されるよう、バルカン砲を掃射した。ぎりぎりのところで狙いは外す。
 後ろから攻撃を受けた輸送機は慌てて上昇してから反転した。まだモビルスーツを出していない。結界に遮られてまだ聖域を確認しておらず、境界線間近に墜ちた僚機も発見してはいないようだった。追う形からわざわざ追われる格好に持っていき、 は再度海上に抜ける。
 聖域からも市街地からも引き離して、北東に進路を取った。黒海を目指す。市街地上空で戦闘を繰り広げるわけにはいかないが、全く観客がいない状況に持ち込むつもりはない。
 輸送機は恐らくこの地中海の対岸、中東方面から来ている。あえてそちらに向かっても良かったのだが、紅海方面へ抜けるのは憚られた。やはり現地人から得た情報は今の にとって有用だった。そうでなければ知り得なかっただろう。その周辺が化石資源の採掘地であることや、それを求めて各国からやってくるタンカーなどがあまりに多い海域であることなど。
 ギャラリーはいなくてはならないが、多すぎてはならない。それも、ことの次第をわかっている者でなくてはいけない。ここの電波状況なら、ある程度の距離があっても自前の輸送機の追跡くらいできるだろう。――是非ともできてくれていることを期待した。

 *** 

 黒海の中ほどにまで来て、輸送機はようやくモビルスーツを吐き出した。人目を気にする点では も彼らも立場に大差はない。 の選んだ場所を、彼らも戦場に適していると認定したらしい。
 全部で四機。いずれもトーラスだった。こちらに来たときに対峙したマヒローは、あれ以来見ていない。既に何機種かの量産に成功しているのかと戦慄していたが、杞憂で済んだようだ。
 トーラスが一斉に攻撃を仕掛けて来る。総出で01を囲い、逃げ場を失くしてからビームキャノンで撃破するつもりらしい。
  は一番近くにいた一機に急接近し、ビームサーベルを突き出した。発射寸前のビームキャノンごと貫いて、すぐにバーニアもスラスターも停止させる。重力に従い落下して、海面に着水する寸前でスラスターを噴かす。垂直に移動した。燃える破片が落ちて大きく跳ね上がった水が更に拡散されてもうもうと水蒸気を上げる。日に晒されてきらきらと光っていた。その中でバーニアを全開にして急上昇する。残りの三機は爆炎と水蒸気に撒かれて視界を失っているのか、滞空したまま大した動きを見せないでいる。
 昨日もそうだったが、ビームキャノンしか携行していないトーラスを屠るのはいくら数がいてもそう難しくはない。大気圏内ではその威力は減衰するし、それにもまして、動きがあまりにも悪いのだ。ほとんど素人といったレベルだ。そういえば任務の初めにアステロイドベルト地帯の小惑星で戦闘を行ったときにも同じ感想を抱いたと思い出す。昨日聖域で結果的に が射殺したパイロットが搭乗していたトーラスはそうでもなかったので、忘れていた違和感だった。
 急な加速と落下を繰り返したせいで、左腕が痺れるように痛んだ。思い切り眉をしかめて、 は抜き放ったビームサーベルを振り払う。二機まとめて胴体を叩き切り、そのまま上昇を続けた。
 基本的な機動性では の01はトーラスを遥かに凌駕している。だがこの戦力差はそれだけが原因ではない。どうしようもない違和感は疑念に変わった。
 眼下の爆煙を眺める。あと一機。上昇をやめて輸送機に接近する。レーダーを見なくてもわかった。あの爆発の中に敵機はいない。あれだけは動きが違っていた。敢えて言うなら、あれだけは普通の動きをしていた。素早く、滑らかな。ごく普通の。――昨日の二機目もそうだったように。
 ピピピとけたたましく警告音が に注意を呼び掛ける。上をとられていた。予測範囲内の行動だ。慌てずに回避行動を取り、輸送機の下に回り込む。
 昨日のパイロットは自分からモビルスーツを降りたので容易に照合ができた。指名手配リストに登録されているテロリストだった。被疑者不在のまま裁判が終了し、身柄の確保か、できなければ殺害の許可が下りていた。同様の裁定がされているテロリストは少なくない。このトーラスのパイロットも恐らくそのうちの一人だ。
 しかしさっきの三機のパイロットはどうだろうか。最初の戦闘で墜とした機体のパイロット達は?
 ――疑念は確信に変わりつつある。もしかしたらどんなリストと照合しても、一致する者などいなかったのではないか。
 盾にした輸送機にバスターライフルを向けた。ターゲットがロックされる。
「……?」 
 トリガーボタンに指を掛けたのに、なぜか押すことができなかった。戦慄にも似た何かが胸をざわめかせる。その所為で、どうしてもトリガーを引くことができない。――この感覚は、何だろう?
 訝かしんでいる暇はなかった。舌打ちが漏れる。撃てないのなら仕方ない。バーニアの出力を絞り、下降しながら減速する。輸送機の影から完全に出た。今度こそ躊躇わずバスターライフルを構える。
 照準の先には、最後のトーラス。――この地球で作られた、真新しい機体。
 トリガーを引いた。大気中である程度減衰するものの、その威力はトーラスのビームキャノンの比ではない。射線軸を読んで回避したようだが、僅かに及ばなかった。光束の端に触れた部分が爆発する。見る間に他の部分も誘爆を起こし、炎の球と化して遥か水面へ堕ちて行くのを加速しつつ見守った。
 ――新しく作られているのは、果たしてあれだけだろうか。
 輸送機を追い越したのを確認して、見せ付けるように上昇する。飛行形態に移行した。進路はまだ北東に向けてある。更に加速してみた。案の定、輸送機も速度を上げる。 を追っているつもりらしい。振り切ろうと思えば簡単にできるが、勿論そんなことはしない。
 通信回線を開く。彼等が使用している周波数は、以前データディスクを回収したマヒローに乗り込んだときに確認済みだ。狙い通り、守り手を失った輸送機が慌てて本部に連絡を取っていた。
 敵機は昨日僚機が不明になったギリシャからは離れ、依然北上を続けている。モビルスーツ五機の内、四機まで損失。パイロット一名が不明。追跡を継続すべきか否か、判断を請う。補足事項。襲撃者は一機のみ――。
  が伝えてほしい情報を、なかなか簡潔に伝達してくれていた。よく訓練されている。だがあまりにも迂闊すぎた。いかに緊急時とはいえ暗号も組まないとは。
 それはともかく、なかなか気になる内容ではあった。――モビルスーツは五機。パイロットが一名不明……? 先程爆破しようとして、なぜかできなかったのも気になる。
 モビルスーツの形態に戻り、急制動を掛けた。やはり怪我が疼く。ナノマシンの働きで回復は早いはずだが、せっかく塞がりかけた傷口はきっとまた開いてしまっているに違いなかった。
 くるりと翻って輸送機の側面に付いた。速度を合わせて、再度下部に回り込む。ビームサーベルの出力を最小に絞って、固く閉じたハッチの縁をなぞる。溶解した部分を掴み、引き千切った。すかさず内部に侵入する。

 *** 

 確かにトーラスが一機、残っていた。
 それほど広くはない格納庫だ。純粋に搬送しているだけならともかく、追撃の為に出された輸送機に、侵入されてもなお残っているのはどう考えてもおかしい。
 随時自動で収集されているデータを信用しないわけではないが、 は01のセンサーに改めて船内を走査させた。やはり周囲に人気はなさそうだが、却ってそれが警戒心を煽る。
 ホルスターから銃を引き抜いた。いつも持ち歩いているそれは、普通なら携帯するには大きすぎる代物だ。それでも銃は重いものなのだと、 はこれにこだわってきた。もっと軽くて手の大きさにも馴染む使い勝手のいい銃は、任務の時にはあえて使わないようにしている。 の、自身に対する戒めのつもりだったのだ。
 ――驕りでしかなかったのかもしれない。
  は舌打ちして、それでも銃を握り締めた。実際、今の にはそれしかないのだ。仕方がなかった。
 コックピットの隔壁を開く。ゆっくりと。
 かなり高度のあるところでハッチを破壊してしまったため、コックピットの外に出た途端急速に減圧されて、耳がキンと痛む。その上、銃を構えるだけでも左腕が鈍く痛んだ。出血しているのを感じる。撃てないかもしれないと思いながら銃を持つのは、ひどく奇妙な気がした。
 丁度コックピットに合う高さにしつらえられた狭いキャットウォークに降り立つやいなや、 は走り出す。01によると生体反応があるのは操舵室のみ。位置は把握している。真直ぐに目指した。

 *** 

 操舵室のドアを前に、 は眉を顰めていた。
 完全に何かがおかしい。何の妨害もなくここまで容易に辿り着けてしまうとは。
 要所要所に設置された船内のカメラは一つも破壊してこなかった。そうでなくてもあれだけ強引に乗り込んだのだ。操舵室の方でも の侵入に気づいていないはずがない。
 ならば考えられる要因はふたつ。――罠か、異変か。
  は詰めていた息を吐いた。感覚が麻痺し始めている左腕を下ろす。銃はそれでも離さない。離せないと言った方が正しい。ホルスターに戻すのも、片手ではやりにくい。落とさないか心配になったが、動く右手は空けておかなくては目前のドアが開けられない。
 多分、異変があったのだ。このドアの向こうで。
 確証はない。だが、妙な確信はあった。それに従って、躊躇うことなくドアロックに手を掛ける。通常ならありえない行動だと、自覚は勿論ある。
 そして予想通り暗証番号を入力する必要はなかった。カードもIDも不要。ただOPENキーを押す。普通なら開くドアの影に身を潜めるところだが、 はそれすらしなかった。
 代わりに声をかける。
「――生存者は?」
「いない」
  より先に侵入を果たしていた男は、豪奢な金髪を揺らしながら操縦席から立ち上がった。本物のパイロットを排除した後、自力で自動操縦モードに切り替えたのなら大したものだ。
「ついて来れたんですね。……いつからここに?」
「黒海に差し掛かる直前だ。さすがに水の上に行かれると厳しいからな。先に失礼させてもらった」
 言ってカノンは口許を歪めた。
「バスターライフルが向けられたときには正直、早計だったかと思ったがな」
「早々に外壁ぶち抜く構えしてたのは誰だよ」
 隣の副操縦席から野次を飛ばしたのは銀髪を逆立てた男だ。シートに背を預けたまま、薄く笑みを刷いている。どうにも物騒な笑顔に見えるが、口調からすると御満悦といった感じだ。何が嬉しいのかは知らないが。
 カノンがげんなりと溜息をついた。
「うるさいぞデスマスク――ミロ、あまりいじるんじゃない。どうなっても知らんぞ」
「大丈夫。まだどこも触ってない。こっちの音も伝わってないみたいだしな」
 操縦席の後横、通信士席に金髪がもう一人座っていた。こちらはご丁寧にインカムまで付けて、子供のようにはしゃいでいる。
  はミロに歩み寄った。脇からディスプレイを覗き込む。送信はOFF、受信はONになっている。問題はないが、誰がやったのか気になった。侵入直前まで通信は行われていたのだ。こんな設定になっていたはずがない。
「……」
 黙ってカノンに目を遣れば、肩をすくめて見せていた。
「なにかマズかったか?」
「いえ――上出来ですよ。こんな知識まで流れていましたか?」
「さあ。よくわからん」
 もう一度大仰に肩をすくめて、カノンは顔をしかめた。
「そうやるんだろうと、なんとなく思った。で、やってみたらできた。それだけだ」
「なんかすごかったよな。ぱぱぱっとキー操作したかと思ったら、もうこうなってた」
 インカムを外し、ミロがカノンを振り返る。デスマスクが立ち上がった。今度は先程までカノンが陣取っていた操縦席にどかりと腰を下ろす。
「こっちも、なんかやってたよな。何したんだ?」
「触るなよ――自動操縦に切り替えただけだ」
 カノンはそこで一瞬言葉を切り、 に窺うような視線を向けた。
「多分な。なっていると思うんだが」
 あまり自信がないのか、幾分声が小さい。 は頷いて見せる。
「速度高度共に落ちていないようですし、大丈夫でしょう」
 言いながらも操縦席は見ない。代わりに床に膝を突いて、空いた副操縦席の下を覗き込んだ。大抵ここには白い箱か何かに入った簡易医療キットががあるはずだ。手を伸ばす。痛みと失血の為に体力判断力共に低下していた。なにか一時しのぎになるものでも入っていればいいが。
「ここにいた人達はどうしたんですか? 血痕すらないようですけど」
 箱ではなく、銀白色の特殊生地でできたナップザックがあった。引っ張り出す。
「全員、異次元に送っておいた」
「……そうですか」
 ずっと握り締めたままだった銃のセーフティをロックして、シートの上に下ろした。力の入っていない指を離そうとしたが意外と難しい。すっかり強張ってしまっていた。感覚も鈍く、言うことを聞かない手をようよう開く。
「調べたいことでもあったか?」
「いえ――もういいです」
 ナップザックのファスナーを開けようとしたが片手ではなかなか上手くできなかった。仕方なく痛む左腕を上げて、押さえようと試みたときだった。
、ちょっと立ってもらえるか?」
 見上げれば、ミロがシートを挟んだ向かいに立っていた。たった今置かれたばかりの銃口が自分の方を向いていても、全く頓着する様子はない。気にする必要などないのかもしれないし、単に注意を払っていないだけかもしれない。どちらであろうと彼には問題はないのだろうが。そんなことをふと考えながら、 は首を傾げた。
「なんでしょう?」
「いいから。ほら、早く立って」
 なんだかわからないが、今にも両脇を抱えられて立たされそうな勢いなので はしぶしぶ従う。立ち上がりざま、銃のスライド部分に手を掛けて、くるりと回しておいた。セーフティがロックされているとはいえ、ミロはともかく には気になるのだ。
「あの、なんでしょう?」
 立ち上がった途端、指先を向けられて面食らう。
「ちょっと動かないでくれよ。すぐ終わる」
 言いながら、ミロは素早く指を突き出す。今の状態の に避ける暇などなかった。

舞い上がる戦神3 END


2010/01/28


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